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ケーキの歳時記

バックナンバー

1月 アップルパイの癒し
厳冬のニューイングランド

2月 チョコレートブラウニー
バレンタインデー

3月 メープルシロップ・チーズケーキ
マサチューセッツのメイプルシロップ工場

4月 ボストン・クリームパイ
ボストンとボストンバッグ

5月 巨大なデコレーションケーキ
卒業パーティーの花形

6月 ベークセール
労働と報酬そして遊び

7月 ストロベリー・ショートケーキ
独立記念日

8月 クランベリー・ブレッド
ファーマーズ・マーケット

9月 マフィン
大学生活の思い出

10月 パンプキンパイ
ハロウィーン

11月 インディアン・プディング
感謝祭

12月 フルーツケーキ
クリスマス

2月 チョコレートブラウニー

ニューイングランドのような北方の地に暮らすと、バレンタインデーが2月なのがよくわかる。アメリカのバレンタインデーは一方通行(女性から男性へ)ではない。性別に関わらず、好きな人に何人でも好きなものをあげていい。

コネチカット大学にいたとき、2月14日にはいつもだれかが、学生控室の全員のメールボックスに小さなチョコレートを入れていた。日本語を教えた女の子から可愛いカードをもらったこともある。

毎日雪と氷に閉ざされて、日照時間はほんのわずか。人生ってつらいと感じる真冬のそのときに、身近な人々から好きだよといわれると、生きる力がわいてくる。厳寒期に心で温めあう日、それがバレンタインデーなのだ。

この日には、私はたいていチョコレートブラウニーを焼く。バターと砂糖を鍋で溶かして、上質のチョコレートと卵、粉、それからたくさんのくるみ。ゆるめの生地を型に流し込んでオーブンに入れればすぐできる。いたって簡単。

焼き上がりは、チョコレート味のケーキというより、ケーキ食感が残るチョコレートという感じ。外側はさくっと軽く、中はチョコレートの美徳のすべて。しっとりと豊かな味わいだ。

料理はおいしく作ろうとするとたくさんできてしまう。お菓子も然り。でも、それがお菓子がこの世にある理由。お茶のときや食事のあとに食べるもの、といった以上の役割がお菓子はある。温かい、いい香りの、優しい甘いものをまわりの人々と分かち合うこと。そこに会話が生まれ、人と人の絆が生まれる。

「お目当ての男性を射止める」という目的は、それはそれでぜひ成功を願う。でも、この春はまだ遠い冬の日に、ふだん好きだよなんて言えない人々(男性も女性も)を呼んで、手作りのチョコレートブラウニーでパーティーというのはどうだろう。何も言わなくてもお菓子と楽しい一時を分かち合うことで、皆に気持ちは伝わるはずだ。

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