アメリカ式ストレス解消法
授業の密度は濃く、この歳になるまで、これほど根をつめて勉強したことがないというくらいの毎日だったが、その一方でアメリカでの授業というのは、息を抜くところもちゃんと用意してくれていた。これは、外国人だからだと思うが、一気に勉強して週末にはリラックスするという方式はうまい。
ELSでは金曜日は「息抜きの日」とクラスメイトもいうように、授業は午前中だけ。また、その内容も映画のビデオを見てディスカッションをしたりといったものである。「The Dead Poets Societ」(日本題『今日を生きる』)などの学園ものを見て、理想の教師像とは何かを話し合ったりしていた。
こうした、フレキシブルな授業のなかで、とくに印象に残ったのが、「人間のストレスの兆候と解消法」について。
確か、生物学か衛生学の専門の先生が来て講義をしていったのだが、そのユニークでユーモラスな内容はアメリカらしいとうなずいてしまった。
彼が、冗談ぽく紹介したストレス解消法は、思わす笑ってしまいそうになるくらい機知に富んでいた。それを紹介すると、
その1−39個の小さなマシュマロを鼻の穴に詰め込んで、いびきでそれをはきだす。
その2−マスターカードを使ってビザカードの支払いをする。
その3−ペットの前で裸でダンスを披露する。
その4−自分から、自分についての意地悪い噂話を流して、いつそれが自分の耳に届くか試してみる。
その5−電気代を一円玉で払う。
その6−自動車をバックで走らせ会社まで行く。
その7−かかりつけの医者に待ち時間の請求書を送りつける。
その8−短編小説を昼のメロドラマの題を使って書いてみる。
その9−スイカを半分に切って、上司の写真を貼り付けて屋上からそれを落とす。
その10−固ゆで卵を床に敷きつめ、裸でその上に乗る。
まったくアメリカ人っていうのは、よくもこんなことを考えるものだ。ちなみに、アメリカで、人々の身近で起きるストレス事項のベストテンはつぎのようなもの。
- つれ合いの死
- 離婚
- 夫婦間の別居
- jail term
- 家族の死
- 病気、ケガ
- 結婚
- 解雇
- 夫婦間の忍耐、努力
- 定年退職
ちょっと、日本人とはちがうようだが、なかなか考えさせるところがあった。
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